2017年7月12日(8月30日)放送のNHK「まる得マガジン」の
「実践!一日一禅」
さまざまな禅語とそれが表す禅の心を
日々の暮らしに取り入れる知恵をお伝えします。
7回目は「おもてなし その一」
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おもてなし その一
禅語。
それは人生の教えを示した禅の修行の道しるべ。
教えて頂くのは横浜の建功寺住職の枡野俊明さん。
第7回のテーマは「おもてなし その一」
今日の禅語は「一期一会」
枡野住職「これは茶の湯に由来する言葉です。
その茶会を催す機会は一生に一度の事ですから
もてなす側ももてなされる側も誠意を尽くして
その場に臨まなければいけないという事を表しています。」
川村「元々は人をもてなす時の姿勢の言葉だったんですね。」
枡野住職「そうなんです。
『一期一会』とはもてなしの基本となる心構えですね。」
今日はお客様が来た時一期一会の気持ちで
もてなす方法をお伝えします。
枡野住職「お香などをたいて部屋にいい香りを漂わせておくのも
おもてなしの一つの方法ですね。」
川村「どんな香りがいいんでしょうか?」
枡野住職「お客様のお好みが分かれば
その香りをたいとくのが一番よろしいですけれども
他には暑い時期には清涼感があるような香り、
寒い時期には温もりのある香りを
そういうふうに使い分けられると
よろしいかと思います。
そして注意して頂きたいのはたく
タイミングなんです。
お客様が来られた時に
“いかにもあなたのために今たいてます”
って感じさせてしまうのは
野暮になりますよね。
ですからお客様が到着される時間を
見計らってお香をたく。
あるいは少し匂いが強すぎるなと
香りが強すぎるなと思ったら
窓を開けて少し空気を調整されると
よろしいと思います。」
川村「お香の香りがすごく落ち着きますね。
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人のお宅にお邪魔した際に、
自分の好きな香りが入り口から漂ってきたら
とても気分が気持ちいいですね。」
枡野住職「おもてなしに欠かせないのがお花ですね。
季節感を感じさせるものを
お香と一緒に床の間に
あるいは玄関にお飾りされると
よろしいと思います。
それも華美にならなく
さりげなくお飾りされるとよろしいと思います。
今日はキキョウを。
涼しさを感じられますし
夏ならではのお花ではないかと
いうふうに思って拝見させて頂きました。」
川村「とっても涼しげで季節を感じますよね。」
枡野住職「そうですね。
この色がやはり涼しく感じられますね。」
川村「お茶とお菓子はどんなものを
どのように出したらいいのか難しそうですね。」
枡野住職「迷ってしまう方も
いらっしゃるかもしれませんが
これも季節感のあるものを出すと
気配りが伝わってよいと思います。」
夏の暑い時期は透明感のあるお菓子でお出し頂くと
あ~涼しげだなという気持ちになれるもんですよね。
そして基本は先に手に取って頂きたいものを
右側に置くんです。」
抹茶の場合はお菓子が先になるので
右にお菓子を
煎茶の場合はお茶が先になるので
右がお茶になります。
またお客様の到着直後、
季節に合わせたお茶を出すのも心配りの一つ。
夏の場合はよく冷えた麦茶
冬の場合は温かいほうじ茶などを
出すといいでしょう。
川村「一期一会
この機会が一生に一度きりだと思って
できるかぎりの誠意を尽くそうとすれば
香りやお花やお菓子、
いろんなものにおもてなしの気持ちを込める事が
できるんですね。」
枡野住職「そうですね。
そうされますと招かれた方も
ああほんとにありがたいな
こんなにおもてなし頂いて、
という大変ありがたく
またうれしい気持ちになれるものですよね。
是非そういう心掛けをしてみて下さい。」
川村「ありがとうございます。」
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