勉強、本を読む女性

2016年9月26日放送の「林先生が驚く初耳学!」の中の
「林先生のキレイごとゼロの教育論」

林先生が今最も会って話を聞きたいという
中室牧子先生が
本当に子供の学力が上がる勉強法をテレビ初公開!

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教育経済学者の中室牧子先生

林先生が今最も会って話を聞きたいという女性が
慶應義塾大学准教授で教育経済学者の中室牧子先生。

 勉強させるには金で釣れ!
 東大合格体験談は意味なし!
 子供に勉強しろ!はムダ!

これらの暴論にも聞こえる事実に
林先生が感銘を受けているのです。

林先生は中室牧子先生の本を暗記するくらい読んだとのこと。

林先生「僕も教育系の講演会よく呼んでいただくんですけれども
本を紹介することはまずないんです。

中室さんの本は唯一紹介している。

その根本的な教育に対する考え方が
世の中にたくさんいる教育評論家の方と違うんです。
そこを世の中の人にぜひ知って欲しい。」

中室牧子先生の名前を
一躍有名にした本が「学力の経済学」

このジャンルとしては異例の23万部越え
のベストセラー。

東大合格体験談は意味なし

一体どんなことがかかれているのか
その1つがこちら。

東大に子供を入れた親の教育法を
真似しても東大には受からない

中室さん「例えばよくある話としては
お子さんを全員東大に入れたお母さんの話や
低い偏差値から偏差値の高い大学に入れたという
教育者の本はすごくよく売れています。

私もよく読むんですけれど、そういう本を読んだ時に
一歩立ち止まって考えなければならないのは
『成功したお母さんと全く同じことをして
自分の子供を成功させられるのか?』というと
必ずしもそうとは限らないってことなんだと思うんですね。」

子供を東大に合格させた親の体験記や
偏差値を40も上げた奇跡の物語を
うのみにするのは危険。

というのも子供の能力、
親の取り組み、運といった
受験の合否を左右する要因を無視して
勉強法だけ真似をしたところで
すべての人が同じ結果にはならない。

そう中室先生が言い切る根拠は
子を持つ何万もの家族をサンプルとした
データの研究にあるのです

この学問のことを中室さんは
教育の経済学と呼んでいます。

林先生「こういう調査方法をとりました
その結果としてこういう結果が出たので
こういう差が出るってことは
『データが語ってますよ』っていわれたら
やっぱり納得できますもんね。」。

林先生「例えば合格体験記にすごく悩んだけど
試験直前で文系から理系に変わったと
文系から理系に変わると試験科目が
変わったりして大変なんですよ。

その生徒は残りわずかな時間で頑張って合格した。

だから『皆さんも最後まで夢をあきらめないでください。』
って書いてあるんですけど、
実際はほとんどは落ちているんですよ。

でも数名は受かるんです。
その人の話が本に載って、
だから頑張れ!って言われると
これは困るなと思って
みてるんですよ。」

読書と学力の間に因果関係はない

中室さん「ここで1つやっぱりポイントとなるのが例えば
お子さんを全員東大に入れたお母さんの本に
「子供が小さい時にかなり読書をさせたので
子供の学力が高くなりました。」
と書いてあったとすると、多くの方は
読書と学力の間に因果関係があったと
考えてしまいがちです。

読書をした(原因)ことによって
学力が上がった(結果)
のであれば因果関係がある

しかし、読書によって学力が上がるということが
同時に起こってはいるが原因と結果が明らかではない場合には
相関関係になります。

この場合、読書したから学力が上がったのではなく
学力が高い子が本を読んでいるだけ
という可能性があるのです。

そうすると読書させても学力は上がらない
ということになります。

ですから読書によって学力が上がるとは
言い切れないんです。」

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学生時代のスポーツと将来年収の因果関係

しかし莫大なデータから意外な事実が分かったそうです。

学生時代にスポーツをやっていた子どもは
将来年収が高くなる!

読書ではなくなぜスポーツをすると年収が高くなると
言い切れるのか疑問に思いますよね。

中室牧子先生が集めたデータは
一卵性の双生児のデータなのです。

つまり、遺伝的環境も家庭環境も同じで、
片方は学生時代にスポーツをやっていて
片方はやっていなかった場合のデータを
大量に集めたわけです。

その結果スポーツをやっていた人は
正社員になる確率が高いということが
明らかになったのです。

ノルウェーの結果ではスポーツをやっていてた人は
収入が4~5%もアップするという結果が出ているのです。

このように収入に違いが出るのは
スポーツを通して忍耐力やリーダーシップを
獲得しているからだと教育経済学者の間では
考えられています。

勉強意欲をなくしてしまう親の行動

従来の教育論が次々とひっくり返される中
ここからが実用編。

4万5000人のデータ研究から子供の勉強意欲を
なくしてしまう親の行動が分かったのです。

約45,000人のデータ研究から断言!
子供の勉強意欲をなくす行動として
一番言ってはダメなのは



勉強しなさい!
というのが一番効果なし。

中室さん「実はこれは私自身が行った研究で
15年に渡る追跡調査のデータを使って
小学校低学年の子供を対象にした研究です。

この研究は子供の勉強へのかかわり方を

①勉強したか確認している
②勉強を横についていている
③勉強する時間を決めて守らせている
④勉強をするように言っている

という4つのタイプの家庭で調査。

この4つの類型のうち
一番勉強時間を伸ばす効果があったのは③

④はダントツに低く「勉強しなさい」というのは
特に女の子の場合はかえって勉強時間が
少なくなってしまう。

勉強を習慣化させようと思うと
何らかの形で親が自分の時間を犠牲にするような関わり方
横についてみているとか、
時間を決めて守らせるっていうことが
必要なのかなというふうには思います。

実はあるあるネタとして
リビングで勉強する子は学力が高いというのは、
リビングで勉強することが学力を高めるのではなくて
親が隣で見ていたりすることが
学力アップにつながっているのではないかと考えられます。」

林先生が優秀な東大生に必ず聞くこととして
「親に勉強しなさいって言われたことある?」と聞くと、
イエスという答えが返ってきたことは1回もなかったそうです。

勉強させるにはご褒美が効果的

約36,000人のデータ研究から断言!

勉強させるにはご褒美が効果的

一般的にはご褒美で釣るのは
よくないイメージがありますが…。

中室さん「人間は目先の利益のほうが
将来の利益よりも良く見える傾向があるんです。

例えばダイエットをしなければいけないとわかっているが、
今目の前にあるケーキを食べててしまう。

長い目で見たら貯金しなければいけないが、
つい浪費してしまう。
のように目の前に利益が高く見えてしまう。

子供の勉強もこれと同じ。

長い目で見れば、勉強しなければいけない
ということを子供はわかっている

なのでご褒美というのはなんなのかというと
今目の前で勉強することの利益を
高めてあげればいいのです。

ご褒美のあげ方にも正解と不正解があります。

以下のうちどちらが効果がある
ご褒美のあげ方でしょうか?

A→テストで80点以上取ったら2,000円あげる
B→本を1冊読み終わったら200円あげる

これはアメリカで行われた大規模な実験の結果
実は結果(アウトプット)にご褒美をあげるよりも
きっかけ(インプット)にご褒美をあげたほうが学力が高くなる。

ですから正解はB。」

中室さん「どうしてかというと、
子供というのはわたしたちが思っているほど
どうすれば学力を高めることができるかわかっていない。

なので”本を読む””宿題をする”
などの具体的な手順を示して、
それを継続的にやらせないと
学力は上がっていかないということがわかっています。」

ご褒美は子供を甘やすことになり
教育上よくないという意見も根強いですが
勉強をするきっかけを作る意味ではご褒美は効果的なのです。

実はご褒美はダイエット目的の大人にも効果的。。
ジムに1回ごとに報酬をつけると
4か月で習慣化されるという研究結果が出ているんです。

とのことです。

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